父は、写真が趣味でした。
ある日ふと、写した人の想いが、胸に迫ってきました。
キヤノンマーケティングジャパン「私を写した人がいる」
女:子どもの頃の、アルバムを開く。
いままでは、自分の姿ばかりを見ていたけれど、
このごろは・・
写真には写っていない人の姿が、見えるのだ。
それは、私を見守り、
この幼い時を、永遠に残そうとカメラを構えた、父の後ろ姿。
(M)~
生まれたての私を、おそるおそる覗き込む
父になりたての、父。
この時・・どんな気持ちだったんだろう。
女:抜けるような青空は、
たまたまそうだったわけじゃない。
きっと・・
若い父『・・あんまり天気がいいんで、
急に、お前を連れて出かけたんだよ。』
女:運動会。こんないいアングルは、そうはない。
若い父『場所取りが大変だった。』
女:ねぇ、白い塀の前に立たせたのは、ピンクのスカートとの
色の対比を考えたの?
若い父『もちろん。ほら、このレンゲの花持ってごらん。』
女: こう?
若い父 『うん。かわいいな〜。』
(SE)シャッター音
女:どんなに私を愛しく思っていたか
その写真を見るだけで、今はわかる。
もしいま父がいたら、きっとこう言うだろう。
父『お前も親になったから、気持ちがわかったんだな。』
女:交わすことのできなかった会話を
アルバムの中で、いま私は交わす。
そこに・・私を写した人がいる。
温かいまなざしがある。
お父さん、素敵な写真を、ありがとう。
NA:写真を撮ろう。幸せな日には。
キヤノンマーケティングジャパン。
2008年
電通賞優秀作品賞/ACCファイナリスト
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キヤノンサテラ「ケネディの赤」篇
NA 1960年。
アメリカ大統領選は、大きな山場を迎えていた。
テレビ討論会。
〈SE〉 1960年の討論会の音~
43歳の若きケネディが、
現職の副大統領ニクソンに挑んだメディア戦は
結果的にケネディに勝利をもたらし、
同時に一つの神話を生んだ。
「ケネディの赤いネクタイ」。
〈M〉♪~
計4回のディベートのうち
特に1回目は、選挙戦に決定的な影響を与えた。
その時ケネディが身につけていたのは、
ダークブルーのスーツと、赤いネクタイ。
白いシャツは、スタジオライトを反射しすぎるという理由で
放送直前、淡いブルーに替えられた。
一方ニクソンは、グレーのスーツ。
体調の不良を、ドーランの厚塗りで隠そうとしていた。
この戦いを、ラジオで聞いたものは、ニクソン有利と感じ、
テレビで見たものは、ケネディ有利と感じたと言う。
テレビ映りを徹底的に意識したケネディ陣営。
特に赤いネクタイは、力強いニューリーダーの色として
国民の記憶に、半ば神話のような、鮮烈な印象を残した。
1992年。ケネディに憧れ続けたクリントンが、
大統領選で選んだのも、赤いネクタイ。
そして2000年。ブッシュ対ゴアの大統領選。
第一回のテレビ討論会で、
二人はまるで双子のように、
ダークスーツに赤いネクタイで登場した。
ケネディの赤いネクタイ。
その色は、ただの赤ではなく
アメリカ国民の心の中に棲む、
理想の大統領の色、なのかもしれない。
ビジネスに、色の力を。
鮮やかな色のプレゼンス。
キヤノンカラーレーザープリンタ サテラ。
2005
ACCファイナリスト